かしこい歯と口の健康知識

歯科医師・山田忠生

かつて、私の尊敬する故パンキー先生が、歯科医師に必要な2つの能力があると言われた。誤解を恐れず日本語で表現すると、その1つは「人と話し合える能力」で、2つ目は、「卓越した手腕、技術的能力」であります。そのいずれが欠けても、卓越した歯科医師にはなれないということであります。

本当にその通りだと思います。いかにすぐれた能力、資質をもっていても、それを適正に患者さんに伝えて、評価される能力がなければ、いわゆる「宝の持ち腐れ」であります。また、いかに伝達能力に長けていても、それを序一笑する能力がなければ、「言うだけ番長」でありましょう。

しかし、両方の資質に磨きをかけつづけることは、この年齢になってもなかなかにむずかしいものだと感じております。