咬合病の診断と管理:4

歯科医師・山田忠生

 

毎日のように、咬合病を原因とする歯のダメージの治療を求めている患者は診療所を訪れるが、患者、そして歯科医師でさえもほとんど真の敵についてわかっていない。直接的であれ間接的であれ、修復物は破損され得るものであれ、それは咬合病の結果として、ときには病因についての認識がないままに、莫大なコストをかけて修理、再装着されねばならない。また、研究によれば急速に進行する局所的な歯周組織の破壊、動揺、早期の歯の喪失は、咬合病(咬合性外傷)に起因していることを明らかにしている。筋肉痛と顎関節機能障害(TMD)は、認識されないままに治療されていない咬合病の徴候と症状である。

歯科医師は毎日のように咬合病を治療しているが、通常、それ程に診断はしていない。そのため患者は咬合状態が自分の歯科的健康に脅威となるものとして、あるいは注目をするべき病気とは思っていない、――つまり摩耗の途中経過であるか、加齢によるものと思っているのである。咬合病はそれらの咬合状態をを称するもので、さらに状態は緊急度を増し、それが加齢や自然な摩耗ではなく、むしろ治療が必要なきびしい病気であるということを、患者が理解する手助けとなる。

 

 

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