歯科医師・山田忠生
インタビューにおける落とし穴
インタビューでは初心者に限らず、経験のある人でも陥る落とし穴が存在する。そのほとんどについてはインタビューを進める上でのテクニックの中で言及してきた。
「はい」や「いいえ」で答えるような質問は、コミュニケーションに失敗してしまう。患者が「はい」とか、「いいえ」で答えようとするのは、事実に基づいた情報を手渡そうとするより、あなたに気に入られるかどうかということに気持ちが向いている場合がある。患者はその話題について、これ以上は話したくないか、あるいはインタビューを早く終えようとしているのかもしれない。
示唆的な質問は、あらかじめ質問への返事を患者に伝えていることになるか、少なくともあなたが求めている返事内容を患者に知らせてしまっていることになる。他人を喜ばせたいと考えている患者であれば、その返事はまさしくあなたが思っていた内容のものであろう。