パンキー歯科診業哲理:298

歯科医師・山田忠生

 

Dr.パンキーが電話をしたところ、彼女の話は以下のようであった。「彼女は5年間、歯医者にかかっていません。自分の歯を大切にしたいと心から願っています。たぶん、あなたは彼女のご主人と一緒に来院してもらい、決定に参加してもらうことを望んでおられると思いますが、無用なことだと思います。というのは、ご主人はまったく関心をもっていません。そして経済的な決定権はすべて彼女がもっております。それからもう一つ、彼女はとても歯科治療を怖がっているようです。」

このことから、Dr.パンキーはその女性を自己保存タイプと分析した。彼女の恐怖心を取り除くために特別な段階を踏み、自分の歯を維持したいという欲求を、そのために必要となる治療を受ける動機づけになるようにりようした。

 

 

デンタル・コミュニケーション:149

歯科医師・山田忠生

 

第2の考え、つまり学生が先生を理解することに関する考えは明確なことであるが、抽象的であり論述しにくいものである。患者は一般的に、症状を訴えるのに独特な言葉遣いをする。

患者の中には詳細に、非常に正確に感覚を訴える人もいれば、あまり不快感を訴えない人もいる。私たちは患者の言葉を、その言葉の上だけで理解してしまう前に、患者自身そして患者の人種的・文化的背景について知ろうとしなければならない。

質問」「あなたの次の来院日は、来月6日の午前10時になります。」とあなたが話したとして、このことは患者にとってどのような意味をもつか。

回答:それぞれの人のもつ文化的な期待値の違いにより、受け取り方も異なってくる。ある患者はこれを6日の正午に着けばよいと解するかもしれない。また、6日の9時45分に着こうと思う人もいる。中には何か深い症状が残っていれば来院するべきで、何もなければ来るつもりないと考えている人もいるであろう。

 

 

 

マークス「完全歯科医業学」:381

歯科医師・山田忠生

 

20ー5 材料に過度な関心を示す患者

歯科医師が患者のコントロールで明らかに失敗をするものに、誤って材料の話し合いに自分を巻き込んでしまうことがある。経験から言えば材料に関する質問は、歯科医師の気持ちの中に材料が大きな位置を占め、治療計画を詳細に考慮するまでは材料を考えない歯科医師に求められるようである。「先生、治療にあたってはどのような詰め物をされるつもりですか。」

自分の気持ちが”材料重視”から離れていることに満足をしている歯科医師には、このような質問は行われないはずである。単なる好奇心から発したものであるか、あるいはこれまでには指摘されていなかったが、本当に審美的な問題、さらには必要性があるのかどうかがわかるであろう。しかし、このような質問がもと深い意味をもっていることを無視してはけない。

 

 

顎関節痛の軽減:3

歯科医師・山田忠生

 

顎関節痛の軽減:8つのベストな方法

数少ないケースでは、TMJの疼痛の軽減は非科学的治療で可能であると、Hearm氏は語っている。TMJの痛みを和らげ、手術をすることなく管理することが可能な8つの方法を以下に紹介する。

1・顎の静止位を維持する。

顎関節の疼痛を和らげるのに役立つことは噛むこと、あくびをすること、歌うこと、怒鳴ることなどのときに、顎の動きを最小限に抑える。

 

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:206

歯科医師・山田忠生

 

コントロール・プログラムの完結

私たちは、あなたが行われる最も大切なことを終えたところです。完全な診査、診断、それにコントロール・プログラム、このプログラムに従うよ、あなたは生涯、ムシ歯ができたとしても軽い状態に抑えることができるでしょう。…歯肉の病気にかかることはないでしょう。より口福で、楽しい微笑みと、お口の将来も約束されるでしょう。いくつかのことを、心に留めておいてください。

細菌は通常でも口腔内に存在しているのですが、細菌によるプラックが蓄積されると問題になります。この塊は唾液と食物残差からできています。

プラックは軟らかいジェル状の物質で、24時間ごとに歯の表面に形成されます。そのようなわけですから、私たちの診療原則の一つとして、あなた自身にも責任をもっていただけなければならないのです。その責任というのは、あなたのお口をムシ歯や歯肉の病気から守るために、24時間ごとに細菌の塊を歯から完全に取り除くということです。

 

 

顎関節痛の軽減:2

歯科医師・山田忠生

 

顎の痛み、顎関節、顎関節症

口を動かすために使用している筋肉や靭帯は、頭蓋骨と下顎骨が交わる場所である顎関節とつながっている。関節炎、脱臼、外傷、TMJの感染などを含む顎関節症は、顎の痛みを伴うクリッキングやロッキング、頭痛、首の痛み、耳鳴りの原因となり得る。

多くの人にとっては顎関節の症状は長くは続かないが、中には顔の筋肉を動かしたときの痛みや不快感は慢性的(長期的に継続する)となり、時間の経過とともにクレンチング(くいしばり)や咀嚼すること、飲み込むこと、さらには歯をこすり合わせることによって悪化させる可能性がある。

 

 

バークリー予防歯科の概要:247

歯科医師・山田忠生

 

一度、親が基本となる概念と、子どものかかっている歯科医師の目指している目標とに共感しさえすれば、無理に知識を詰め込む必要などないのである。事実、親に必要なのは歯科医師(あるいは診療所、協会)の示す興味に、自分も興味を感じることなのである。親がこの時点でこれまでの知識を再考するようにさえなれば(つまり、彼らの考えを理知的なものとする)、見込みのある長期の関係も生まれてくるのである。このような目標を目指しての歯科医師と患者との関係は、歯科養成期間中には聞かれることはなかった。

歯科大学と父兄との関係を長期にわたって持続させることが不可能であるために、歯科学生の基本的な親への教育課程は無数の歯科的事実や、あらゆる診査、診断の重要問題を過剰なまでに説明することで埋まっている。しかも、長期予防計画を強調するため、学生には不必要に多くのウ蝕を治療するように教えられているのである。拡大鏡を手にした教官は、学生が些細な疾患を見逃すといってひどく非難するのである。この疾患の約1/3は処置をせずに長期予防計画のもとで管理することができる。

 

 

 

パンキー歯科診業哲理:297

歯科医師・山田忠生

 

あなた自身で紹介者へ電話をすることも考えられることだ。「ちょうどいま、あなたの友人のマリー・ジョーンズさんをお会いする約束をしたところですが、こうしてあなたに電話をしましたのは、一つはお礼を述べるためです。本当にありがとうございます。そして、もう一つはマリーさんを拝見するにあたって何かお聞きしておく方が良いことがあればと思って、お電話を差し上げた次第です。」

新しい患者を紹介してくれた人と話をしておくことによって、その新しい患者とさらに確信をもって気持ち良く出会うことができるようになる。加えて、その患者とのコミュニケーションの方法についても手掛かりを与えてくれる。Dr.パンキーは、一人の婦人の話を語っている。つまり、その婦人は別のもう一人の女性を患者として紹介し、受付秘書に。「パンキー先生が彼女とお会いになる前に、私に電話をしていただけますか。」と話した。

 

 

デンタル・コミュニケーション:148

歯科医師・山田忠生

 

以下のよな考えは、歯科のスタッフの業務にどのような関りをもっているだろうか。

質問:最初の考え、つまりメッセージの背景となるものがメッセージの意味するものを決めている、ということを適用して、歯が痛いという発言を考えてみよう。以下の状況下ではこの発言はどのような意味をもつのか。

  A.試験の準備ができていない7年生の生徒が、試験日の朝8時に母親に向かって話している。

  B.35歳の会社部長の女性が、緊急の来院で歯科医師に話している。6年間、歯科医師に診てもらっておらず、これまで歯に異常があったこともない。彼女は夫から離婚の申し立てのあることを昨日知った。

  C.73歳の大学を退職した元教授の人が、新しく修復物を装着した2週間後に、歯科医師に話している。

回答:それぞれは以下のような発言と解釈できる。(他の解釈もあり得る)

  A.「お母さん、今日学校に行かなくてはいけない。」、あるいは「家にいて、構わない。」

  B.誰かに関わっていてほしい。

  C.「この義歯は、少し調整をする必要があると思う。」