ザ・デンタルフィロソフィ:159

歯科医師・山田忠生

 

一般的歯科治療や、修復治療が完了したとき

1.治療したことが有益であったことを話す。

2.患者の協力に感謝する。困難で苦労した治療内容について述べる。

3.治療後の経過や、予後について知らせる。

4.治療後の管理について口頭か、文書で指導する。

5.質問か、心配事があるかどうかを尋ねる。

6.楽しく治療できたことに同意を求める。

7.次回来院時に行う治療について説明する。来院日時を再確認する。

8.その後の経過に異常がなく、快適でいることを確認するために、当日の夕方、あるいは翌日に電話をする。

 

 

ブラキシズム:10

歯科医師・山田忠生

 

睡眠時ブラキシズムに関しては、その流行(普及)、病態、生理学、そして有効な治療に関する情報は限られている。身体、脚部あるいは腕部、そして顎の最も周期的な動き(睡眠時ブラキシズム)は、睡眠の第2相ーーノンレム、軽い睡眠の間に観察される。この段階には脳幹と自律神経系の適正な共感活動の増加、呼吸の速さ、心拍数や筋肉収縮の増加、そしてとりわけ顎と関係づけられるわずかな覚醒を含んでいる。数多くの他の問題は睡眠ブラキシズムと関連している、つまり閉塞性睡眠時無呼吸のような特定の呼吸器疾患、不眠症と睡眠時随伴賞、不眠に伴う脚症候群、顔面下顎筋膜付随運動、てんかんと逆流性食道炎など。

 

 

 

デンタル・コミュニケーション:131

歯科医師・山田忠生

 

●それではここで、話されたことをまとめてみましょう。あなたは4日前、冷たい水を飲んだときに痛みを感じられました。それ以降、冷たいものや、熱いものに痛みを感じられてきました。

●4年前に歯科治療を受けて以来、問題なく経過してこられました。あなたの話されたことは、この通りですか。

情報をこのようにまとめていけば、患者にはあなたの誤解を修正する機会がもてる。

あなたが歯科治療を始める前に、もう一つ必要なステップがある。つまり、患者との契約内容を再確認して、お互いが次に何をするのかをはっきりさせる必要がある。それには、次のように話すことを薦める。

●あなたの歯と歯肉をチェックしてみましょう。それにはレントゲン写真を撮る必要があると思います。それが終わって診断が立てば問題点を解決するのに、私が勧める方法について話し合いができることになります。始める前に何かご質問はありますか。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:365

歯科医師・山田忠生

 

電話による接触のときは、来院してこない可能性は低い。しかし、患者が手紙で通知したアポイントメントを守らないときには、他の特別なアポイントメント(このときは決められた日にちまでに、確認することを条件とする)を送付するべきであるが、これも無視されたならば、放置することの危険性を強調して、歯科医師自らが手紙を書くか、直接電話をすることになる。

歯科医師の責任は、――その思慮深さと同様に――患者が再来院するようにできる限りのことをすることまでに拡大している。

 

 

エクセレンスの追求:41

歯科医師・山田忠生

 

アメリカでは、多くの人が新しい技術、新しい設備に飛びついてしまうという傾向があります。いつも新しいものを求めて変わっていき、結局はシステムが確立していない、あるいはスタンダードがない、ただ新しいものに飛びついているだけということがあります。私たちの目的、私たちの価値観に匹敵する一貫しているものに対してのみ変化を求めて決定を下すべきであります。それによって卓越性というものが得られる場合に限ってであります。

次の項目は欲望、望みということです。普通の人間と、金メダル受賞者との違いは、望みというものをもっているかということになります。それぞれの選手はコーチから十分な指導を受けて、体調を整えてゲームに出場しております。しかし、その日のゲームで金メダルを受賞した人というのは、そこに前向きな考え方があったはずで、どうしても勝ちたいという望みが明らかだった選手です。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:230

歯科医師・山田忠生

 

第1回診査予約の遂行にあたって

 

新患者が初めての予約にオフィスを訪れた後に、このような手紙を出す。その他に、患者教育用のお知らせも何枚か同封する。

 

あなたはきっと、うわ! たくさん送らないといけないのだな、と言うだろう。…その通りなのだ。私は患者と話をしたいのであり、同様に文書でコミュニケーションももちたいのだ。遅かれ早かれ、彼らは連絡をつけ始めるだろう。

 

 

バークリー予防歯科の概要:230

歯科医師・山田忠生

 

さらには患者自身が辺縁の適合性を判定すること、フロスを使って接触点の適切性を判断できるようになれば、デカスロン・デンティストの歯科治療が以前の歯科医師とは、どのように違うかを比較できるようになるのである。このようにして患者は以上述べたような内容の歯科医療を受けた場合にかかる、割増料金にも納得がいくのである。評価時期の経過とともに保険会社のコンピューターも、そしてその重役たちにデカスロン・デンティストによる保存治療がその質の高さにより、現在扱っているコストの低い歯科医療よりも反って経済的であることを認めさせるようになるだろう。そのときがくるまでデカスロン・デンティストは、自分の価値を認めてもらうためにも、保険会社の訪問を頻繁に受け入れることになる。

 

 

ブラキシズム:3

歯科医師・山田忠生

 

覚醒時のブラキシズムは、習慣や無知のためにしばしば無意識に行われる。多くの人びとは長年に渡って無意識に筋肉の緊張と、結果として経験する痛みとの間につながりをもつことなく、顎の筋肉を収縮させつづけることが可能である。この筋肉緊張過多は歯の接触とは関係なく、交感神経系システムの過剰活動につながりがある。身体にとって攻撃として認識されるような信号は、私たちの防衛システムを活性化し、身体の特定の筋肉を収縮させる効果がある。急性の状況にあって、あるいは副交感神経の休息システムによって即時に相殺されるときには、それは実際に非常に有益であり、不可欠でさえある。しかしながら、身体が慢性的に攻撃を知覚すれば、それの限界がくるまでその貯えを輩出させる。ストレスの多い環境、生活の出来事への増加する反応、慢性的な痛み、あるいは不健康なライフスタイルというのは、すべてが責任を伴う要因である。自律神経系のこの調節は遺伝的であり、かつ後天的なものであると考える。一方では、遺伝的であるが他方では人間が成長をしていく環境に応じて進化する。

 

 

パンキー歯科診業哲理:281

歯科医師・山田忠生

 

歯科医師としての自分を紹介すること

あなたやスタッフが、新しい患者と出会う前に心に留めておくべき最も重要な考えというのは、その患者をどのようにして伝道者として育てるかということである。伝道者となった患者は、あなたを自分が知り得る限りの最高の歯科医師であると感じているので、友人や家族、親せきをあなたに紹介したいと思うようになる、このような人はあなたのコミュニケーションの方法、共感の感情、暖かな接触、声の調子、そしてマナーや容姿などに好感を抱いている。これらがどのように組み合わさっているのであれ、忘れてならない重要なことは、新しい患者というのはあなたの伝道者になることを望んでいるということである。Dr.パンキーが語っているように、あなたの医業が健康で強固であるためには、伝道者に始まり伝道者に終わるのである。Dr.ワースによれば伝道者を育てていくサイクルは、新しい患者とともに始まり、満足した患者が新しい患者を紹介することによって完了するということである。