マークス「完全歯科医業学」:363

歯科医師:山田忠生

 

19ー1 特別なリコール・テクニック

診療所が適切な時期に患者と接触することを約束するようになれば、歯科医師は当然そうすることは責務であると考えるようになる。これまでに見てきたように形式的な手紙は効果的ではない。来院される時期になりました、という内容の電話も同様に効果的ではない。リコールは、目的をもったものでなければならない。受付は下記のように話す。(あるいは、手紙を書く。)

「覚えておられると思いますが、最後にあなたを拝見したときに、先生はあなたの歯肉と、臼歯のエナメル質の状態をチェックするために5か月後に診せてもらいたいと希望しておりましたが…。」

患者のカルテを調べずに何を話すべきかが、どうして受付にわかるだろうか。同様に、電話をする時期についても、受付がわかるのは下記の図表のような、簡単な3×5インチのリコール記録用カード(略)を使用しているからである。

 

 

ブラキシズム:6

歯科医師・山田忠生

 

歯や歯肉に対するブラキシズムの影響は何か

歯への影響としては、咬合面と歯頚部における過度な摩耗と、歯の動揺、歯折、知覚過敏がある。歯肉にとってブラキシズムは、歯周疾患を悪化させる要因である。他のブラキシズムの影響としては筋肉疲労、顎、頚部、背中の痛み、そして頭痛が増加する――ブラキシズムは偏頭痛の引き金となり――同様に耳のまわりに痛みを伴った顎関節の過剰使用や炎症、そして耳鳴りと疲労が増加する。この疲労は他の人にさえも影響を及ぼし得るのである、というのは睡眠中に隣のパートナーを目覚めさせるに十分なほどの音で、歯をきしませるのである。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:228

歯科医師・山田忠生

 

私たちのオフィスへ、ようこそ

私たちのオフィスへ、ようこそ!  リラックスした雰囲気の中で、快適で能率的な私たちのスタッフによる高い水準の歯科診療をおわかりになれば、私たちのオフィスでの歯科經驗に、あなたはきっと満足されるでしょう。質の高い人間関係を量産することはむずかしいことです。この理由から、私たちは一度に一人の患者さんだけを診察し、今日の歯科診療ででき得る最も高い水準を極めようとしています。

私たちはまず、目標を設定します。それは他の多くの歯科医院のものとは、少し違っております。そして、私たちの治療における目標をお知らせしたいと思います、

私たちの診療の第一の目的は、患者さんが自分の歯を生涯にわたって守っていくことを助けることであります。

私たちはあなたの口腔の状態や、あなたにとって最も関心のある治療についての情報を正直にお伝えすることを通して、患者さんと楽しいおつき合いを深めていくことができると信じています。治療方法の選択にあたっては、あなた自身が最も適切であると思われる方法を選んでいただけるよう、その長所、短所をはっきり知っていただくべきであると思っています。

 

 

バークリー予防歯科の概要:228

歯科医師・山田忠生

 

効果的なプラック・コントロールが十分ではない口腔では、過度な咬合力によって致命的ではないにしても、かなり重大な損傷を歯周組織に与える結果となるのは明白である。歯肉溝のプラック・コントロールができていれば、咬合関係について熟達することは急ぐ必要はないが、それでもデカスロン・デンティストは顎関節の健康、安寧さ、歯ぎしりの除去、そして過度の摩耗と破損の問題に常に関わっていかなければならない。このように、デカスロン・デンティストは患者のために、平均的な歯科医師よりもさらに包括的な長期にわたる予防・修復計画を提供できるのである。患者の人生の最も適した時期に治療を受けさせるために、疾患のコントロールとともに咬合関係の技術を用いることによって、デカスロン・デンティストには健康で快適になる患者が増えていくことであろう。咬合についての知識が増えるほど、その歯科医師の診療はより充実したものになっていくようである。

 

 

ブラキシズム:5

歯科医師・山田忠生

 

人口のどの程度が、ブラキシズムに苦しめられているか

国際睡眠障害学会の分類では、一般人口の85~90%の人びとがある時点で歯をある程度きしませていると判断しているが、りんsh法的な状態を発症するのはわずか5%である。ブラキシズムの疫学的報告の最新の体系的な調査によれば、覚醒時のブラキシズムでは22.1~31.0%にみられた。また、ブラキシズムは男女で差はないが、高齢者にあまり影響を与えることはない。

このような数字というものは話半分として聞かなければならない、というのもそれらは自己申告に依存しているからである。夜行性のブラキシズムのさらに信頼性の高い評価のためには、睡眠ポリグラフ器具による、よりコントロールされた任意抽出による、継続的で大規模な研究が求められる。これは簡単な測定装置が開発されたことで、家庭で使用可能となり、さまざまなデータを収集することが可能となっている。

 

 

デンタル・コミュニケーション:128

歯科医師・山田忠生

 

その他の落とし穴としては、性急に安心感を与えてしまうということがある。「わかりました、大丈夫です。」という言葉ほど、話し合いを終わらせてしまうものはない。性急に安心させてしまうことは、必ずと言ってよいほどのその本質についての話し合いを中止してしまうことになる。データを集めているときには、最もあってほしくないことである。さらにデータが必要であったとしても、安心させてしまえば不可能になってしまう。あなたの場合でも言葉の上だけで安心するように言われるよりも、その問題について話す機会のあつ方が、ずっと安心感をもつようになるはずである。

データの収集中に患者やインタビュアが防衛的な姿勢をとれば、そのインタビューの効果は薄れてしまう。ほとんどの場合、防衛的な姿勢というのは批判の産物であり当惑、深い、恥辱として経験するものである。あなたが批判を下すのではないということを、忘れないように。患者が自分の目的に達するように理解し、援助することがあなたの仕事なのである。その目的も、あなたが患者に押しつけたものではない。いろいろな目的のあることを患者に自覚させるのは、あなたの役割であるが、どの方向に向かって進んでいきたいかを選択するのは患者の役割なのである。

 

 

パンキー歯科診業哲理:279

歯科医師・山田忠生

 

治療室はどうだろうか。あなたにとって働きやすいだろうか。一経費を節約するという誤った考えから、間に合わせや時代遅れの器具を使っている歯科医師が多数みられる。本当は適切な器具を使えば、それだけあなたの必要性に応え、よりすぐれた歯科医学が展開できるのである。ハンドピースのバーをいつも交換しているのなら、なぜハンドピースを2つ使用しないのか。すぐれた器具は最高の投資なのである。自分の器具について考えてみよう。改善のために借金をしようとも、その投資は十分な効果をあげる価値のあるものである。

能率を考えたとき、頻繁に使用する器具は手じかにあり、必要な器具はすぐに使用できるべきである。Dr.ワトソンはこのように話している。”患者の後ろのテーブルにノートを置いている。アシスタントに何かを頼んだとき、それが私に手渡されるまでに5秒以上かかったときには、アシスタントはそれをノートに書いておく。あるいは、何かを取り出すのに間違った引き出しを開けるたびに、それも記入させる。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:362

歯科医師・山田忠生

 

初回のリコール来院の第2段階ではレントゲン写真をとることや、口腔の予備的調査をする。最終段階では歯科医師は家庭管理指導に関する患者の協力程度をチェックし、目的を再確認するべきであり、明らかに何かがあるときには治療の実施手段を提示するか、あるいは現時点ではプロフィラキシスの治療は必要ではないことが明らかになったことを指摘する。

2回目の来院で臨床前の結果を提示し、臨床検査を実施して結果の確認、治療計画、費用、その支払い方法について提示する。プロフィラキシスや治療はその後に始めることを薦める。特にすぐに診ることができるレントゲン写真だけのときなど、なぜ2回目の来院を初回にしてしまわないかと理由を求める歯科医師も存在する。患者を守るためには、ほんの数枚のレントゲン写真でも、自由な時間のあるときに研究して考慮するべきでるというのが私たちの提案なのである。