ザ・デンタルフィロソフィ:157

歯科医師・山田忠生

 

毎朝、私は患者が来院する前に予約担当者と会って、個々の患者のスケジュールとその日の全般的な予定について検討する。私に電話のかかってくる予定のある場合や、予約担当者に何か手伝ってもらうことがある場合にはそのことを確認する。

また、チェアサイドアシスタントと十分に予定について話し合い、個々の患者の治療について検討を加える。そうすることで、治療をおこなう前に何をするかが理解できていることになる。

あなたが患者に与えることができるサービスの質には、これでよいという限度はなにのである。そのためにはしょうじき、完全、誠実、感情移入といったものをもった態度が必要である。スタッフそれぞれは患者の感情や、その人特有の行動に対して敏感でなければならない。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:227

歯科医師・山田忠生

 

しかし、これはある一つの側面のみを表面的に見てのことだ。診療に来院するほとんどの新患者はこの手紙に触れ、どれほどこれを高く評価したかを話してくれる。

また、新しい患者にとって、徹底して診療をしてもらえる歯医者を探し続ける生活にピリオドを打たせることになる。

手紙にはあなたの診療の根本的な目的と、患者のためにどのようなゴールを用意しているかということについて触れなくてはならない。ほとんどの歯科医師は患者にだけゴールを決めて、自分自身のためのゴールをもっていないので、自動的に自分を孤立させてしまう。質の高いあまたの患者は、あなたの努力を必ず評価してくれる。

 

 

バークリー予防歯科の概要:227

歯科医師・山田忠生

 

歯内療法の技で、技術の劣った歯科医師であれば犠牲にしかねない歯が、たとえ一部であっても保存できるようになり、補綴を根本的に改善することができる。例えば歯折があっても歯根が残存できれば強固な修復を行える能力を身につけるのである。これはインプラントで埋め合わすことが可能かもしれないが、患者の折れた歯こそ最高のインプラントなのである。歯科医師は日常的に歯内療法を行い、第3大臼歯や矯正を理由とする抜歯以外は、ほとんど抜歯は考慮に入れないようにする。患者の歯周組織の健康状態は、デカスロン・デンティストが家庭管理の成り行きをみる尺度ともなる。疾患をコントロールするための教育が、歯周疾患学を適用する上での技術の基礎である反面、歯科医師が限定的な治療を行う能力も重要である。歯周疾患の2/3が高度の疾患コントロールのための訓練で回復可能であるが、残りは軟組織に最小限の傷をつけることによって治るのである。歯科医師の能力は、患者の将来や容貌、安心感に大きな影響を及ぼす。さらに重症な口腔では、歯を部分切除して保存可能な個所を残す。歯周疾患についての歯科医師の能力の中では、外科治療をしてはいけないと判断する能力が最も重要なのである。

 

 

ブラキシズム:4

歯科医師・山田忠生

 

第2のカテゴリーは非機能的動作であり、ブラキシズムーー、つまり、歯をくいしばり、あるいはきしませることによる、または舌の筋肉とは無関係に下顎を支え、あるいは強く押すような反復的な顎の筋肉の活動を含んでいる。非機能的動作の間、筋肉は身体が発育していないという行動の中で、ともに働いている。ブラキシズムの他の非機能的動作の例としては、頬や口唇、あるいは舌を噛むこと、チューインガム、親指を吸うこと、爪を噛むことなどの習慣が含まれる。ときには、身体はこのような非機能的動作に非常にうまく適応するが、しばしばいくつかの、あるいは他の組織にダメージを与えることになる。また、筋肉の緊張過多という用語を使用して生活機能を越えた活動や習慣を表現している。

 

 

デンタル・コミュニケーション:127

歯科医師・山田忠生

 

患者にとって何の意味もなく、方向づけもないままの沈黙は困惑したものとなる。そして疑念が生じてくるようになる。つまり、インタビュアであるあなたが混乱し、途方に暮れ、次に何をするべきかが決まっていないように見えるのである。患者も途方に暮れ、何を期待されているのかわからなくなってしまい、両者にとって気まずい状況といえる。黙ったままでどうなっているのか、患者が不安に思うようになり、「私に理解できたかどうかよくわからないのですが。」と話す方が、はるかに良い結果を生む。そうすることにより他方では、あなた自身の感情や反応をコントロールできて、はっきりと言葉にできるようになる。知らないことよりも知っていることに適応しやすいのは、当然のことである。患者にとっても疑念をもちながら、十分に考えることができないままで放置されているよりも、はっきりとっしないとはいえ言葉をかけられる方が、適応しやすいのである。

 

 

パンキー歯科診業哲理:278

歯科医師・山田忠生

 

具体的な歯科治療に費やす時間が増えていくに従い、補助者の非生産的な時間の有無を考慮しなくてはならない。衛生士がアシスタントのできることをするのに時間を費やしていることはないだろうか。あるいは衛生士は十分に訓練をされ、軟組織の診査ができるようになっており、歯の動揺度をチェックしたり、歯周ポケットを測定したり、スケーリングやルートプレーニングをしているか。ときには人によって、他の衛生士よりも時間がかかることもあり、それに応じて助寿0るを立てるべきである。衛生士が行う一連のレントゲン写真の作業を、アシスタントは手助けできる。このようにすることで、改めてアポイントメントをとることや、結果を患者に手紙で知らせることがなくなる。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:361

歯科医師・山田忠生

 

3・プロフィラキシスは治療の一部であるべきであり、たとえそれが必要な唯一の治療であることがわかったとしても、リコール診査の一部ではない。このアプローチをとることにより、(徹底的な)1時間30分の診査の最後に、”何もすることがない”というような失望感をさけることができる。そのことはまた、「すばらしいことです。今回はお口の清掃を除いては何もする必要がありません。」と話して終わることにもなるのである。(リコール患者に対して歯科衛生士によるプロフィラキシス《歯科医師が最初に出会うことなしに》を予定し、それが完了すると口腔内を”チラッと診る”――あるいは、単に衛生士が列挙した問題点のみを、さらに悪いのはすべてが順調で診るべきことはないという衛生士の言葉を信じるような方法は、私たちの見解からすれば嘆かわしく、許しがたいものである。)

 

 

ザ・デンタルフィロソフィ:156

歯科医師・山田忠生

 

スタッフミーティングの形式

1.打ち解けた雰囲気で昼食をとる。

2.問題を確認する。

3.前回のミーティングの議事録を発表する。

4.協議事項より、新しい業務について検討する。

5.問題を解決する。

6.建設的な批評と、暖かい配慮をする。

部門別のスタッフミーティングは、必要に応じて計画する。つまり、技工関係のスタッフ、チェアサイドアシスタント、衛生士、そして事務職員などであり、スタッフ全員に関係のない特定の事項について検討する。

個人的な問題については、当面の関係者だけで別の機会に解決する。