マークス「完全歯科医業学」:360

歯科医師・山田忠生

 

この提示の方式は、手順の内いくつかを強調するものである。

1・私たちの見解では、リコールは自動的に6か月後にするべきではない。”1年に2回、歯科医師に診てもらいましょう。”とよく宣伝されているが、陳腐で意味のないものになってきている。それ故に、それは避けるべきである。「あなたは、〇〇に来院される必要があります。」は、6か月よりも4か月、5か月、そして7か月でさえも、その方がベターである。つまり、それは患者それぞれであり、患者の口腔の状態によるのであり、それ故にさらに意味のあるものである。

2・歯科医師が手紙ではなく、電話で直接に連絡をしようとしているだけでなく――電話の方が確実であるが――電話をする時間帯と場所について尋ねていることに気づかれていることと思う。患者の中でも、特にビジネスマンは無理にでも中断しようとすることがあるが、自分から「午前10時ころに電話をしていただければ幸いです。」と話したことを思い出したときには、ほとんどの人が冷静になるものである。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:226

歯科医師・山田忠生

 

歓迎の手紙

診査の予約をした新しい患者は、最初の予約から先立って手紙を受け取る。レター・ヘッドに手書きで患者に歓迎の意と、それから冒頭に最初の診療日時を受付に書かせるのも良いと思う。

この手紙が、あなたのオフィスの進め方を定めるという意味からも重要である。それは能率と徹底性の証しである。それに加えて私と、私の背景について手短に紹介した概要も郵送する。私たちはこの生活範囲に新しく移ってきた人たちとの共同生活にいるのだから、彼が診療に来る前に、少しでも先生と、先生の背景を知っておけば安心だろう。この考えを批判して、”マジソン・アベニュー・プロモーション”と呼ぶ人がいることを認識している。(訳者注・マジソン・アベニューは、アメリカの広告代理業者を表す代名詞でもある。)

 

 

 

パンキー歯科診業哲理:277

歯科医師・山田忠生

 

人間はすべてそれぞれが異なっている。それぞれは異なったペースで働き、異なった理想に価値を置いている。すべての人と気持ちよく仲良く働ける人など存在しないのである。常にアシスタントと働いており、そのペースがあなたと違っていたとすれば、あなたは一日の終わりには神経が張り詰め、イライラとしていることであろう。二者択一することは、数多くある。あなたのペースに合わせるよう求めたり、あなたといつも働くことのない仕事に移らせたり、同僚と働くようにさせたり、あるいは辞めさせることもできる。適正であるかどうかが、最も大切なことである。あなたおオフィスに合ったいないのであれば、その事実を認め、幸運を祈り送り出すことである。

 

 

ブラキシズム:2

歯科医師・山田忠生

 

「何よりも、私は人体に興味をもっています。」と、マトネは説明する。「そして、できれば個人の自制と、その専門性との間に存在する境界線を一掃したかったので、ブラキシズムに興味をもち始めました、というのも私自身がなぜそれをっしているのかを理解したかったのです。また、私が大学でそれについて学んだことはまったくといって完全なものとは思えなかったので、そこで、患者にさまざまを提供することができればと願いました。そして、リエージュ大学で歯科医学を学んだ後、身体の残りの部分に関連して歯科的健康の一層の理解を得るために咬合、顎関節症、そして慢性的疼痛について研究をしました。ブラキシズムは歯科医師に口腔を越えて眺めることを、次いで心理的、情緒的要因を加えて全身を考慮することを求めているという事実を、私は望んでいます。そのテーマは広大で大いに疑問に満ちているので、私を魅了するのであります。」

 

 

バークリー予防歯科の概要:225

歯科医師・山田忠生

 

優秀な医師も、多くはこの技術が欠落しており、予防歯科の成果を十分に発揮できない状態である。この技術に秀でているからといってモーレツな営業マンなどではなく、実際にはむしろ口数の少ないタイプで、虚勢を張らず、まじめにこの技術を駆使し、患者を自立させるのである。その技は冷静に確証をもって学生を指導し、健康を長期的な協力を経て自主的なレベルまで高めていく、真の教師のそれである。患者の自立観念を高めるためにも、医師の”治療者”であるというイメージは取り去っていくことが望ましい。診断の技は技術的な技に影響されるので、デカスロン・デンティストはこの領域でも抜群な才能を有する必要がある。より多忙ではあっても、あか抜けしないタイプの歯科医学を応用しているために、恐らく奮闘している割に好結果が得られない同僚たちを、彼らは尻目にかけるようになるであろう。デカスロン・デンティストはすべての歯を抜去することを必要とするケースには、極めて稀にしか出会うことはない。彼はその生涯と技術とを、患者の口が完全なままで保たれていくことに捧げるのである。

 

 

デンタル・コミュニケーション:125

歯科医師・山田忠生

 

インタビューにおける落とし穴

インタビューでは初心者に限らず、経験のある人でも陥る落とし穴が存在する。そのほとんどについてはインタビューを進める上でのテクニックの中で言及してきた。

「はい」や「いいえ」で答えるような質問は、コミュニケーションに失敗してしまう。患者が「はい」とか、「いいえ」で答えようとするのは、事実に基づいた情報を手渡そうとするより、あなたに気に入られるかどうかということに気持ちが向いている場合がある。患者はその話題について、これ以上は話したくないか、あるいはインタビューを早く終えようとしているのかもしれない。

示唆的な質問は、あらかじめ質問への返事を患者に伝えていることになるか、少なくともあなたが求めている返事内容を患者に知らせてしまっていることになる。他人を喜ばせたいと考えている患者であれば、その返事はまさしくあなたが思っていた内容のものであろう。

 

 

ブラキシズム:1

歯科医師・山田忠生

ブラキシズムは、歯科医師に口腔を越えて眺めることを求めていると、フランソワ・マトネ歯科医師は語る

 

ギリシャ人は、私たちがブラキシズムと称する言葉としてブリシャインー歯をこすり合わせ、きしませることーを使用していた。ダンテのインフェルノと聖書の両方にみられる、この”歯をきしませること”に関しては、人類と同じほど古いことかもしれない。しかし、その原因、メカニズム、そして治療については、まだほとんど分かっておらず、誤った情報が患者、歯科専門家の両方を混乱させ続けている。この課題に光を当てるために、ベルギーのフランソワ・マトネ歯科医師と予防について語り合った。マトネ先生は彼自身がブラキシズムをしており、また顎関節と口腔顔面痛を専門にした、この問題に関する状態や包括的なアプローチについて詳細な情報を提供できるのにふさわしい人物である。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:359

歯科医師・山田忠生

 

ご自分のお口をA-1状態にもっていくことに費やした時間や費用から恩恵を受けたいと思われるでしょう。そして放置してしまうことでその効果を減らしたくないということもわかっております。ですから、あなたさえ希望されれば、あなたがリコールのアポイントメントを忘れないためにも〇か月以内に受付からあなたに連絡を差し上げるつもりです。

日にちが近づいてきたときに受付から電話をさせていただくことが最善だと思いますが、お望みでしたら手紙で連絡をいたします。ご自宅か、オフィスのいずれがよろしいでしょうか。ご都合のよい時間帯がありますか。

リコール診査の費用を気にしておられると思います。その費用は40ドルです。もちろん、それにはお口の清掃や、必要な治療があれば追加されることになります。多額の費用がかかるように聞こえるのではないでしょうか。このようにお考えいただきたいのです。将来に事故や、予期しないことがない限り、1年に100ドル程度でお口を最高の状態に維持することができるのです。すばらしいことではないでしょうか。私はこれこそお買い得であると言いたいのです。」