デンタル・コミュニケーション:115

歯科医師・山田忠生

 

質問が示唆的なものであるかどうかを判断する方法としては、あなたが返事を予測できるものであるかどうかということである。

質問:次のどちらの質問が予測できるか。

  A.毎食後、お薬を飲んでおられますね。

  B.毎食後、お薬をお飲みになることができていますか。

回答:A

   Bは、患者が服用の指示を守らなかったことにも理解を示していることになる。患者は仕事中には薬を飲めなかったと言いたいかもしれない。

 

仕事中にケガをした患者にインタビューをしていると仮定してみよう。あなたは顎からの痛みが、頚部にまで及んでいるかどうかを知ろうとする。

質問:痛みが頚部にまで及んでいるという予測を、患者にさとられないような質問に変更せよ。

   ●痛みが首にまで起こったことがありますか。

回答 ●痛みは顎だけに起こりましたか。

   ●他のどこかにも痛みを感じられていますか。

 

 

 

 

 

咬合病の診断と管理:6

歯科医師・山田忠生

 

咬合病は、修復物の臨床的寿命が短くなる主要原因の一つである。図5の患者は、審美性を改善して、現在の歯のダメージを修復することを希望した。早期に治療局面へと進むのではなく適切な診断の重要性と、DFEDシステムを使った咬合の評価についての情報が提供された。歯科顔面評価を完了させるには、高い質をもった適切な記録をもつことが何よりも重要である。記録には一連のレントゲン写真、パノラマレントゲン写真、6点ポケット探査、半調節性咬合器に装着された模型、これにはフェイス・ボーを使用、そして”話すときの歯の見え方”を重視した写真を含む11枚のデジタル写真を含む。

 

 

 

マークス「完全歯科医業学」:350

歯科医師・山田忠生

 

19・リコール

患者が型通りのリコールの通知や、ハガキに応じようとしないときには、しばしば歯科医師は”責任からの免除”を要求することがある。通知が無くても歯科医師の許に行くことは、――確かに”1年に2回は歯科医師に診てもらいましょう”というテレビからの指令に駆り立てられた――患者の責任であると考えている歯科医師さえいる。

責任はさておいても、両者ともにきわめて近視眼的である、というのはリコールでの再来院が高いということは、管理の行き届いた、そして生産的な診療を意味するからである。しかし、それでも歯科医師は責任をもっている――そして、よく耳にする”しつこくリコールで再来院を強要することは商業主義的に見られる”という理由付け(しばしば、これはものぐさをごまかすためであるが)で弁解され得るものではない。

 

 

パンキー歯科診業哲理:267

歯科医師・山田忠生

 

この章では、”不作為”と”作為”による過失についても述べることになる。作為の過失とは、知っていながら不注意のために侵す誤りである。不作為の過失――偶然に起こったり、自覚していないために起こる段階でもある――しかも、犠牲の多いものとなり得る。たとえば、クラウンのマージンが完全であったとしても、その形態と歯周組織との関係を無視していれば、重大な不作為による過失を侵していることになる。さらには、患者にとって最適な歯科治療を患者とコミュニケートすることを怠ったとすれば、――いずれにしても、患者がそうしないと信じていたとしても――あなたは患者を裏切ったことになる。

新しい患者を獲得しようとしている歯科医師には、現在の患者に必要な歯科治療すべてを行っていないかもしれないという認識に欠けていることが多い。”オフィスから流出している”歯科治療の総量は、すべての歯科医師を豊かにして余りがあると、Dr.パンキーは好んで話している。このような作為と不作為の過失を取り除くには、心からの誓約が要求される。

 

 

バークリー予防歯科の概要:216

歯科医師・山田忠生

 

義歯粘着剤のみが、無歯顎の人々を安心させようとしているのではない。歯科医師は、絶えず歯を保持するためのあたらしく、巧妙な工夫をしているのである。移植、磁石、ピン、ブレードなどはそのような工夫である。これらが注目するべきものであるのは確かだが、しかし歯を保持するのに歯根に勝るものはない。それにも関わらず、歯科医師はその歯根を無差別に患者から取り出してしまうのである。

組織移植を試みている多くの歯科医師は、いずれの歯にも必須歯内療法を実施しないのにはまったく驚かされる。徐々にこのような歯科医師も臼歯部に歯内療法を行うようになるかもしれない。しかし、それでは完全ではない。さらに悪いことには、数十年にわたって成功をしてきている一般的に認められている技術を研究して応用していくべきときに、まるで革新的で遺体を発掘するような方法を試みている歯科医師が、あまりに多すぎることである。重症の患者に動機を与えるのは容易である。ただし、その場合の歯科医師の責務は適切な時期に、適切な処置を施すことである。歯内療法で処置された歯根は、やはり最高のインプラントであり歯槽骨を保持するのに役立つ。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:216

歯科医師・山田忠生

 

ここで、優先予約が出番となる。月、火、金の午前は、多数歯の形成やセメント合着などの仕事をする。この色分けされた時間は、7日前になるまでくずすことはできない。7日前になっても多数歯の形成の予約がばい場合には、受付はアポイントメント・コントロールシートに書かれている患者を呼び出し、予約のない時間を満たすことになる。

この方法はとてもうまくいく。ここ数年、私はブルーと、グリーンの時間をほとんどくずさなくてもすむように修復治療に心がけてきた。

そうでないと、ブルーやグリーンの時間に、他の予定を入れなくてはならなくなるからだ。

色分けによって仕事は能率的、また効果的になるが、優先予約やアポイントメント・コントロールシートなしでは、効果的な診療ができないのである。

 

 

デンタル・コミュニケーション:114

歯科医師・山田忠生

 

経験の有無にかかわらず、程度の差こそあれ応対者は示唆するような質問をすることがある。

質問:返事を示唆しないような質問に変更せよ。

  A.頭頂部にまで痛みはありましたか。

  B.食事中に痛みはひどくなりましたか。

  C.人によってはこの薬で吐き気を訴える方もありますが、あなたもそうですか。

  D.指示通りに薬をお飲みになりましたか。

  E.薬を飲む前に、顎を楽にして痛みを軽減しようをされていますか。

回答:以下の質問と比較せよ。

  A.痛みは歯だけですか、それとも他にも起こりますか。

  B.しっかりと食事をした後の痛みはどうですか。

  C.お薬はに何か問題はありますか。

  D.今、お薬はどのように飲んでおられますか。

  E.痛みを軽くするために、何かをされていますか。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:215

歯科医師・山田忠生

 

アポイントメント・コントロール

私のオフィスでは、これはとても有用なものとなっている。あなたが大規模な診療を行い、効果的で予防的なリコール・システムを実施しているとすれば、ささいな治療や、そのときにはすぐに対応できないような治療などが必要となってくることもあるだろう。それをスケジュールに組み入れようとすることは、患者にとってもあなたの診療にとっても自滅的で、有害である。ささいな治療が2週間以内にうまく入れられない場合には、アポイントメント・コントロールシートに記入するということを受付や、衛生士に教える。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:215

歯科医師・山田忠生

 

アポイントメント・コントロール

私のオフィスであ、これはとても有用なものとなっている。あなたが大規模な診療を行い、効果的で予防的なリコール・システムを実施しているとすれば、ささいな治療や、そのときにはすぐに対応できないような治療などが必要となってくることもあるだろう。それをスケジュールに組み入れようとすることは、患者にとってもあなたの診療にとっても自滅的で、有害である。ささいな治療が2週間以内にうまく入れられない場合には、アポイントメント・コントロールシートに記入するということを受付や、衛生士に教える。

 

 

パンキー歯科診業哲理:266

歯科医師・山田忠生

 

前章で、自分自身と患者を知ることの重要性が理解できたことと思う。あなたの技術的能力や、患者とコミュニケーションする能力を誠実に査定する機会があったはずである。この最終章では、この知識を適用する方法を学ぶことになる。つまり、すべての患者に最大限の歯科的管理を提供し、その患者を歯科医学の伝道者とする目的をもち、そして自分のための幸福をも想像するために、あなたが自分の資質を利用することである。

あなたがオフィスを動かしているのか、オフィスがあなたを動かしているのかを決定するために、オフィスの機構、組織、人員について見ることにする。次いで、”患者を知る”ための能力を最大限発揮しているかどうかを理解するために、オフィスの手順と診査を通して患者を取りあげてみる。その後に、診療前診査、口腔の予備的診査、共診断、そして既定の治療計画の展開へと進めていく。最後にそのケースを患者に提示して、最適な治療計画が遂行されるようになる。