マークス「完全歯科医業学」:372

歯科医師・山田忠生

 

この方法は、うまく機能するだろうか。多分、患者は強い意志、わがまま、緊張、そして強情さを現すことがある。歯科医師がこのような特性を認識して平静に、しかし断固とした対応をするならば、自らを案内人として助言者として確立することになり、患者が侵害しようとする管理についても決して放棄することもない機会をもつことになる。事実、歯科医師の成功とは、どの程度に職業的権威を和らげることができるかによるのである。うまくいかなかったとしても、すくなくとも変えようと試みたのだと納得させて、自らを元気づけることができる。その”来院してきた”患者は教育をされることがなければ、診療に対して価値を認めない患者よりも明らかにさらに劣っていたのである。

 

 

 

デンタル・コミュニケーション:139

歯科医師・山田忠生

 

歯科のオフィスにおいては、一般に信頼を得ることができるかどうかということは、歯科医師の話した通りのことが起こるかどうかによって決まる。「これは痛くありませんよ。」と言ったとすれば、本当に痛いか痛くないかによって患者の信頼は異なってくる。「今度の火曜日の11時に拝見しましょう。」と言ったのであれば、11時に診るか、11時25分に診るかで大きな違いが生じる。このような状況から患者はあなたの態度を正確に予測できるようになり、あなたが信頼できる(あるいは、できない)と思うようになる。

「痛みませんよ。」と言われながら実際に痛かった場合、その歯科医師をどうして信頼できるのか。「11時には拝見します。」と言って、11時25分まで診なかった歯科医師を、どうして信頼できるのか。そのような歯科医師から10日間、毎日正午に薬を服用するように言われたとき、患者はどうするべきか。13日間、午後1時に飲むべきだろうか。経験から歯科医師の話すことが真実でないことを知れば、患者はどうして歯科医師を信じることができるのだろうか。

 

 

ブラキシズム:17

歯科医師山田忠生

 

ブラキシズムと舌の位置には関連性はあるか

それはとても良い質問である。自己管理アプローチの第一歩は、感覚運動の認識である。患者は顎の筋肉の過度な緊張に気づくことになり、舌はその一部なのである。私たちが論じている過度の緊張はストレスと関連しており、患者にもよるがこれらの力が長引くと、顎関節系に症状が現れる可能性がある。

顎の適正な静止位置は、筋肉の緊張が最小限であり――重力を打ち消すのに十分な中立的な位置である。したがって口唇は閉じられ、目に見える模倣はなく、筋肉はリラックスしている。歯の間にはわずかなスペースがある。舌は成人期においては異なった安静位をもつことができる、つまり口腔底に、あるいは中心部に、そして口蓋に軽く触れる位置にと、――舌はこわばることもあれば、そうでないこともある。患者に対して口蓋に積極的に舌を押しつけるように助言するのは間違っている、というのもそれは返って舌をまったくの筋肉組織として緊張するように導いてしまう努力をしなくてはならなくするからである。そこで、適切なアドバイスは舌が完全にリラックスして、柔らかくさせて、自然に動くようになれば口蓋にふれてもかまわないということである。

 

 

パンキー歯科診業哲理:289

歯科医師:山田忠生

 

あなたは自分の顔に何を現しているのか。自信、力量、それとも他人への心からの配慮だろうか。リラックスしているか。楽しんでいるか。身なりは整っているか。微笑みはどうか。あなたの口腔衛生の管理は十分に患者の模範となりうるものか。あなたの姿勢はどうか。目的意識をもった人のように歩いているか。それとも世界中の重荷をもって、打ちのめされたように歩いてはいないか。声のトーンは聞く人にとって誠実で、落ち着き、安心感を与え、楽しく聞こえるものか。それとも不機嫌で早口か、気取っているように聞こえないか。自分が他人に与えている正確な印象をとらえるために、ビデオテープに自分を撮影して役立てている専門家もいる。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:236

歯科医師・山田忠生

 

事業機関などではこれを目標管理、あるいは目的による統制などと称します。ひとたび、あなたがゴールのアウトラインをつかめば、そこへ到達するチャンスは大きくなります。ここで、あなたの現在の口腔状態がどのように未来の口腔の健康に影響するか、ご報告しましょう。多くの歯科医師はただ詰めて、修理をすることにしか興味がないようで、三千万人もの人が自分の歯を失っているということを知れば、次のようなことが気になりませんか。今までの古いシステムは実際の役に立つのでしょうか。

次にあげるのは、診査の結果わかったことの大略です。ご質問があると思いますので、どのようなことでも気軽にお尋ねください。そして、話し合いましょう。

 

 

バークリー予防歯科の概要:237

歯科医師・山田忠生

 

センターの活動の一環として、ヒトは内科と歯科の診査を受けた。診査の結果を家族に告げる方法が、信じがたいほどに重要であることがわかったのである。

”わかった事実と、その意義とをできる限り普通の人のみわかるように、そっくり家族に伝える。そのときには、こちらから積極的に忠告を与えるようなことはしない。普通の人にとっては、どのようなアドバイスも求めていないのであるから、これは当然なことかもしれない。しかし、内科医として養成された人、つまり明確に忠告を与えるよう指示された人にとっては、これは非常に取りにくい態度である。確かに”忠告をする”ことは、権威をもつ地位にある人間にとって、ほとんど抑えられない衝動である。そのとき私たちはアドバイスをしないように、専門知識の権威者である態度をとることは慎むようにしなければならない。あるメンバーが語っているように、「医者はただ、あなたがどのような状態にあるのかを教えるだけ」なのである。したがってその後の実際の行動は、それぞれの思考力の程度によるのである。

 

 

ザ・デンタルフィロソフィ:163

歯科医師・山田忠生

 

スタッフは自分の働いているオフィスを誇りに思うと同時に、負担した費用に値する恩恵を患者が受けていると感じる必要がある。また、単にオフィスが経済的に裕福であるということだけでは、質の悪い歯科医学しか提供できないということを認識しなければならない。収入の行先や、オフィスを経営する費用についてスタッフが認識をして、理解をしたときに治療費について一層の満足感をもつのである。スタッフが治療費の決定に参加するべきだと私は考えている。

歯科医師とスタッフが診療費について満足すれば、患者も同様に満足するのである。

 

 

 

マークス「完全歯科医業学」:371

歯科医師・山田忠生

 

「最初に話し合わなければならない事実と方法は、実際の治療そのものと同じほどに大切なことなのです。というのもあなたの信頼と協力があって、最小限の時間内でえあなたに歯科的な最大限の利益をもたらすことができるのです。もちろん、あなたは私を信頼していると言われました。しかし私の歯科に対する姿勢がわからないままで、どうして信頼することができるでしょう。その上、あなたの私への信頼は十分ではありません。これは二人がかりの事業なのです。あなたがご自身のお口について、そしてその機能についてもっと認識されるようになれば、あなたのするべき仕事の分野をあなたは実行できるようになるのです。」

 

 

デンタル・コミュニケーション:138

歯科医師・山田忠生

 

あなたが信頼してもらえないと気づいたとき、それをどのように理解しようとするのか。信頼の欠如を理解するには、まず信頼について理解しなければならない。

信頼とは各人の個人的な経験に由来するものであり、独特なものである。ひとたびお互いの中に信頼関係ができると、それは他の人や組織にも拡大していく。

信頼は、その人が他者について行う一連の行動予測から進展するものと考えられる。その行動予測とは、他者が行うかどうかを口にするとともに、実際に行動したかどうかということに密接に関連したものである。この予測は他者を信頼するにあたって、常に不変のものでなければならない。