マークス「完全歯科医業学」370

歯科医師・山田忠生

 

歯科医師は治療だけに責任をもつことはできないのだから、教育が治療そのものと変わらない歯科サービスの一部分であるということを患者に理解させなければならない。さもなければ、患者は共同責任の内の自分の部分を果たそうとはしないであろう。

時間のないことを訴えるビジネスマン(そうとは限らないが)には、基本的に下記のように対話するべきである。

「お忙しいということが、どういうことかはわかっているつもりです。私も忙しくしておりますので。それに、それが非常に大切なことだと考えなければ、話し合いに私の時間を割くようなことはしません。実際のところ、ご説明をするだけではお金はいただけないのですから、でも、十分なご理解が得られてから始めれば、長い目で見て患者さんにとっても、私にとっても時間を節約することになるということが分かっております。」

 

 

デンタル・コミュニケーション:137

歯科医師・山田忠生

 

信頼

なぜ、人は他者を信頼するのだろうか。同じ状況にあっても人によって信じることもあれば、信じなかったりするのはなぜだろうか。人それぞれがもつ安全性に対する認識が、信頼を確立するのに影響しているのか。

質問:人が他者を信頼しないとき、それとわかる指標がある。どのようなものが考えられるか。

回答:以下のようなものである。

  ●気乗りのしない話し方

  ●防衛的な姿勢

  ●気に入ることを強く望む

  ●いいえ、と言えない

  ●信頼できるかどうかを試すような行動

  ●約束を守らない

  ●誠意のない雰囲気、あるいは人間性

  ●他人といることで、ぎこちない感じをもった態度

 

 

 

今年も開催『口福寄席』&”歯福の講演会”ー4

歯科医師・山田忠生

 

■”歯福の講演会”ー3つのテーマ

1)「ワタシはニッポン人です」と日本人に言われて当惑した神戸K先生の秘密

2)「エッ、ホントですか?まさか!」と驚く患者さんと対面した私の衝撃

3)「タタミの上を、ゲタを履いて歩いているみたい」と褒められた京都S先生の当惑

 

 

 

ブラキシズム:14

歯科医師・山田忠生

 

ブラキシズムには既製の、奇跡的な治療法はないーー治療計画は、それぞれの患者の状態に応じて決定する。目標は患者に治療、そして患者が自ら使える知識と手段を提供することで、患者に能力を与えることである。まだ発表されていない研究ではあるが、ブラキシズムに関連する(痛み、そしてあるいは機能的限界に伴う)咀嚼装置に機能不全に苦しむ約100人については、被験者の80%が自己管理哲学に基づくアプローチのおかげで60~100%の全体的改善を示した。この方法では専門家の援助はありながら――患者は自らの健康に一定の役割を果たしたのである。

 

 

パンキー歯科診業哲理:287

歯科医師・山田忠生

 

受付に入っていくと、受付秘書やスタッフと出会うことになる。受付秘書は笑顔とともに、やさしい言葉で応対しているか。うるさくて、せきたてるような話し方をしていないだろうか。安心感を与えてくれる声の調子だろうか、それともあなたは歓迎されざる人物のように感じていないか。

どれ程にあなたが有能で、安心感を与え、心遣いをもっていたとしても、スタッフが患者を冷たく扱ったとすれば、あなたへの患者の信頼感や尊敬の気持ちは減少するに違いない。新しい患者は、すぐに診たのか、それとも少し待たせたのか、あるいは30分以上も待たせるほどの無理なアポイントメントをしているのか。15分以上待たせたときには、患者はあなたに対して1~2点の減点評価をするであろう。治療室へ誘導するアシスタントは礼儀正しく、ユーモアもあり、安心感を与えているか。

 

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:234

歯科医師:山田忠生

 

診断書

診査と診断の後、患者に送る診断書の最初のページは、ボブ・バークリーが60年代後半に患者にあてた手紙に沿ったものである。これに私が書き加えて患者の問題となるところや、個人別に作成した治療計画がわかる事項を追加した。

次の何通かの手紙は、患者に伝えたい一般的なお知らせの例である。パンキー・インスティテュートのローレン・ミラーは、かつて私に「1ページ以内に書けないようなことは、誰も読もうとしない」と語ったことがある。基本的には彼の話したことは正しいだろう。私はほとんどすべての手紙を1ページで収めようと試みているが、どうしてもできないケースもある。

これらの手紙は、このようなスタイルのコミュニケーションが患者にとって有意義なものかどうかを判断する情報となるものである。私は開業以来、利用しているが非常に恩恵を被っている。