バークリー予防歯科の概要:228

歯科医師・山田忠生

 

効果的なプラック・コントロールが十分ではない口腔では、過度な咬合力によって致命的ではないにしても、かなり重大な損傷を歯周組織に与える結果となるのは明白である。歯肉溝のプラック・コントロールができていれば、咬合関係について熟達することは急ぐ必要はないが、それでもデカスロン・デンティストは顎関節の健康、安寧さ、歯ぎしりの除去、そして過度の摩耗と破損の問題に常に関わっていかなければならない。このように、デカスロン・デンティストは患者のために、平均的な歯科医師よりもさらに包括的な長期にわたる予防・修復計画を提供できるのである。患者の人生の最も適した時期に治療を受けさせるために、疾患のコントロールとともに咬合関係の技術を用いることによって、デカスロン・デンティストには健康で快適になる患者が増えていくことであろう。咬合についての知識が増えるほど、その歯科医師の診療はより充実したものになっていくようである。

 

 

ブラキシズム:5

歯科医師・山田忠生

 

人口のどの程度が、ブラキシズムに苦しめられているか

国際睡眠障害学会の分類では、一般人口の85~90%の人びとがある時点で歯をある程度きしませていると判断しているが、りんsh法的な状態を発症するのはわずか5%である。ブラキシズムの疫学的報告の最新の体系的な調査によれば、覚醒時のブラキシズムでは22.1~31.0%にみられた。また、ブラキシズムは男女で差はないが、高齢者にあまり影響を与えることはない。

このような数字というものは話半分として聞かなければならない、というのもそれらは自己申告に依存しているからである。夜行性のブラキシズムのさらに信頼性の高い評価のためには、睡眠ポリグラフ器具による、よりコントロールされた任意抽出による、継続的で大規模な研究が求められる。これは簡単な測定装置が開発されたことで、家庭で使用可能となり、さまざまなデータを収集することが可能となっている。

 

 

デンタル・コミュニケーション:128

歯科医師・山田忠生

 

その他の落とし穴としては、性急に安心感を与えてしまうということがある。「わかりました、大丈夫です。」という言葉ほど、話し合いを終わらせてしまうものはない。性急に安心させてしまうことは、必ずと言ってよいほどのその本質についての話し合いを中止してしまうことになる。データを集めているときには、最もあってほしくないことである。さらにデータが必要であったとしても、安心させてしまえば不可能になってしまう。あなたの場合でも言葉の上だけで安心するように言われるよりも、その問題について話す機会のあつ方が、ずっと安心感をもつようになるはずである。

データの収集中に患者やインタビュアが防衛的な姿勢をとれば、そのインタビューの効果は薄れてしまう。ほとんどの場合、防衛的な姿勢というのは批判の産物であり当惑、深い、恥辱として経験するものである。あなたが批判を下すのではないということを、忘れないように。患者が自分の目的に達するように理解し、援助することがあなたの仕事なのである。その目的も、あなたが患者に押しつけたものではない。いろいろな目的のあることを患者に自覚させるのは、あなたの役割であるが、どの方向に向かって進んでいきたいかを選択するのは患者の役割なのである。

 

 

パンキー歯科診業哲理:279

歯科医師・山田忠生

 

治療室はどうだろうか。あなたにとって働きやすいだろうか。一経費を節約するという誤った考えから、間に合わせや時代遅れの器具を使っている歯科医師が多数みられる。本当は適切な器具を使えば、それだけあなたの必要性に応え、よりすぐれた歯科医学が展開できるのである。ハンドピースのバーをいつも交換しているのなら、なぜハンドピースを2つ使用しないのか。すぐれた器具は最高の投資なのである。自分の器具について考えてみよう。改善のために借金をしようとも、その投資は十分な効果をあげる価値のあるものである。

能率を考えたとき、頻繁に使用する器具は手じかにあり、必要な器具はすぐに使用できるべきである。Dr.ワトソンはこのように話している。”患者の後ろのテーブルにノートを置いている。アシスタントに何かを頼んだとき、それが私に手渡されるまでに5秒以上かかったときには、アシスタントはそれをノートに書いておく。あるいは、何かを取り出すのに間違った引き出しを開けるたびに、それも記入させる。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:362

歯科医師・山田忠生

 

初回のリコール来院の第2段階ではレントゲン写真をとることや、口腔の予備的調査をする。最終段階では歯科医師は家庭管理指導に関する患者の協力程度をチェックし、目的を再確認するべきであり、明らかに何かがあるときには治療の実施手段を提示するか、あるいは現時点ではプロフィラキシスの治療は必要ではないことが明らかになったことを指摘する。

2回目の来院で臨床前の結果を提示し、臨床検査を実施して結果の確認、治療計画、費用、その支払い方法について提示する。プロフィラキシスや治療はその後に始めることを薦める。特にすぐに診ることができるレントゲン写真だけのときなど、なぜ2回目の来院を初回にしてしまわないかと理由を求める歯科医師も存在する。患者を守るためには、ほんの数枚のレントゲン写真でも、自由な時間のあるときに研究して考慮するべきでるというのが私たちの提案なのである。

 

 

ザ・デンタルフィロソフィ:157

歯科医師・山田忠生

 

毎朝、私は患者が来院する前に予約担当者と会って、個々の患者のスケジュールとその日の全般的な予定について検討する。私に電話のかかってくる予定のある場合や、予約担当者に何か手伝ってもらうことがある場合にはそのことを確認する。

また、チェアサイドアシスタントと十分に予定について話し合い、個々の患者の治療について検討を加える。そうすることで、治療をおこなう前に何をするかが理解できていることになる。

あなたが患者に与えることができるサービスの質には、これでよいという限度はなにのである。そのためにはしょうじき、完全、誠実、感情移入といったものをもった態度が必要である。スタッフそれぞれは患者の感情や、その人特有の行動に対して敏感でなければならない。

 

 

シュースター「卓越歯科医業学」:227

歯科医師・山田忠生

 

しかし、これはある一つの側面のみを表面的に見てのことだ。診療に来院するほとんどの新患者はこの手紙に触れ、どれほどこれを高く評価したかを話してくれる。

また、新しい患者にとって、徹底して診療をしてもらえる歯医者を探し続ける生活にピリオドを打たせることになる。

手紙にはあなたの診療の根本的な目的と、患者のためにどのようなゴールを用意しているかということについて触れなくてはならない。ほとんどの歯科医師は患者にだけゴールを決めて、自分自身のためのゴールをもっていないので、自動的に自分を孤立させてしまう。質の高いあまたの患者は、あなたの努力を必ず評価してくれる。

 

 

バークリー予防歯科の概要:227

歯科医師・山田忠生

 

歯内療法の技で、技術の劣った歯科医師であれば犠牲にしかねない歯が、たとえ一部であっても保存できるようになり、補綴を根本的に改善することができる。例えば歯折があっても歯根が残存できれば強固な修復を行える能力を身につけるのである。これはインプラントで埋め合わすことが可能かもしれないが、患者の折れた歯こそ最高のインプラントなのである。歯科医師は日常的に歯内療法を行い、第3大臼歯や矯正を理由とする抜歯以外は、ほとんど抜歯は考慮に入れないようにする。患者の歯周組織の健康状態は、デカスロン・デンティストが家庭管理の成り行きをみる尺度ともなる。疾患をコントロールするための教育が、歯周疾患学を適用する上での技術の基礎である反面、歯科医師が限定的な治療を行う能力も重要である。歯周疾患の2/3が高度の疾患コントロールのための訓練で回復可能であるが、残りは軟組織に最小限の傷をつけることによって治るのである。歯科医師の能力は、患者の将来や容貌、安心感に大きな影響を及ぼす。さらに重症な口腔では、歯を部分切除して保存可能な個所を残す。歯周疾患についての歯科医師の能力の中では、外科治療をしてはいけないと判断する能力が最も重要なのである。