パンキー歯科診業哲理:261

歯科医師・山田忠生

 

あなたがいくらか外向性であるか、少しばかり人間嫌いであり、しかしもっと人を好きになりたいと思っているのであれば、いくつかの方法が考えられる。これまでに好きになった人々を思い出し、どうしてその人々を好きになったのかを調べてみることである。あなたが好感をもっている人に、このことをしてみるのだ。そうすればあなたが好きな人への、一連の特徴が明らかになってくる。あなたが初めて出会う人に対して、このような特徴をさがしてみることである。

新しい患者にこの特徴の一つでも明らかになれば、その人への見方が変わってくることに気づくはずである。その特徴が顕著なものでなくても、可能性はそこにあるのだ。あなたの焦点を合わせたことが、次第にふくらんでいくのである。

人に好意をもてるようになる、もう一つの方法としては、あなたが人々に好奇心をもつようになるということがある。あなたの周りにいる”人々を揺り動かす人”--人脈をつくり、物事を達成することのできる人--というのが、どれ程に相手に話をさせるコツを心得ているかということに気づいたことがあるだろうか。それこそがそのような人々が心から相手に好奇心をもっているということであり、その好奇心を相手に質問するという形で表現するのである。この次に新しい患者と出会うときに、その人に好奇心をいだくようにしてみることだ。患者のもっている書物、身につけているブローチ、出身地などへの特にこれといったことのない質問が、情報交換を豊かにし、密な関係に導いてくれるようになる。

 

 

 

 

 

睡眠時ブラキシズム:6

歯科医師・山田忠生

 

子どもの睡眠中のブラキシズム

5歳の子供では、約30%がブラキシズムの徴候を示している。子どもの一部には耳の痛みや、歯の萌出に伴う痛みへの対抗戦略として、あるいは不安への応答としてブラキシズムを発症する。

幸いなことに寝小便、夢遊病のようにブラキシズムも、多くの子どもでは年齢を経るにつれて消え去る。ブラキシズムをもつ子どもの半数以上が、13歳までに自然に停止する。成人期まで5~10%のみが、なおブラキシズムをもっている。

 

 

 

マークス「完全歯科医業学」:344

歯科医師・山田忠生

 

しかし、他の人への冠絶的な教育は、引用した例や状況で制限を受けるものではない。最適な歯科的健康を確立する必要のある段階にいる人に話をするべきであると、責任を感じている患者は存在しており、注意深い歯科医師はそのことを患者に提案する機会が多いことに気づくはずである。とりわけ歯科医師が患者から熱意のある反応を引き出せたときにはその熱意を、他の人々へ最適なコントロールについて伝達したいという願望へと変化させるべきである。(歯科医師が患者から賞賛を受けたようなときには、きまりの悪さも感じて、その賛辞に直接応えようとしないことがある。その代わりに最もうれしく思うことは患者が完全な歯科治療から得られる恩恵を、理解させることができるようになったという事実であり、それを受け取る必要のある多くの人々にそのことを伝える方法があれば、そのことが望みであるということを伝えることによって、”その賞賛を仕事に向ける”ことが可能となる。)

 

 

バークリー予防歯科の概要:210

歯科医師・山田忠生

 

この歯科医師は、第5週目を転換目標の週に選び、アポイントメント・ブックを新しいものに替えた。彼の秘書は4週間を患者への電話と、アポイントメントの変更にあてた。多くの患者は数か月前からのアポイントメントをしていたにも関わらず、正確な時間を知っていなかった。そこで2~3週間前に余裕をもって連絡をした結果、患者は指定された時間に都合がつくかどうかを難なくと決めた。都合がつかない場合はそれに代わる時間を決め、この時間にも来院できないときには2週間ほど経過してから、再び電話をする旨を伝えた。

次の3週間で、秘書は第1週の変更をすべて新しいアポイントメント・ブックに移し終えた。歯科医師が驚いたことには、新しいアポイントメント・ンブックは金曜日の正午までに、古いアポイントメント・ブックの1週間分を完全に消化してしまったのである。金曜日の午後と、土曜日の朝は追加のアポイントメントのために残す。そして、それをクラウン、ブリッジの”待機リスト”の中から順番に埋め合わせていった。秘書は引き続き奇術師のように古いでたらめなアポイントメント・ブックを、うまく工夫した新しいものへと合わせていった。高度な生産性ある歯科医療診療で、2週間分だけアポイントメントがつまった。

 

 

ザ・デンタルフィロソフィ:146

歯科医師・山田忠生

 

Abraham Maslow は、Rensis Likert博士の次のような研究に同意している。彼によれば、経営参画の機会が多い組織の方が、そうでない組織よりもトップの人間の影響が大きいというのである。つまり、”あなたがち^むの誰かに影響力や権限を与えていこうとすれば、あなたはそれ以上に影響力や権限をもたねばならない。”ということである。

しかし、Maslowは、”人々が権威主義的経営に慣れ親しんでいる場合には、経営参画方式への転換は徐々に行うべきであることを忘れてはいけない。”と警告している。中には経営上の弱点とみなされることに、つけ入る人もいる。

 

 

デンタル・コミュニケーション:107

歯科医師・山田忠生

 

ときには、状況によって危険を冒すことも認められることもあれば、患者に対して怒ってみることや、高圧的な態度をとること、素っ気なくしても構わない関係にあることがある。このような方法は依存心の強い患者を動かし、自分の行動を変える必要のあることを患者に納得させる患者へのあなたへの好印象を、あるいは患者そのものを失う危険性をも十分にあなたが管理できるのだということを、患者に納得させるのに使われることがある。あなたは何をしようとしているのか、なぜそうするのかを知っておくべきであり、つまりは暖かく、友好的で思いやりをもつべき時期と、気難しく対決的で、単刀直入である時期とを認識しておくべきなのである。時期によって患者の成長や責任感の強化に、どちらかが適切で建設的なものになる。

患者の社会的・個人的情報を収集するには、やわらかく問いかけるような言葉遣いが効果的である。

 

 

睡眠時ブラキシズム:5

歯科医師・山田忠生

 

ブラキシズムの原因は何か

歯科医師には、まだブラキシズムの原因は何かがわかっていない。しかし、ブラキシズムのリスクを増大させるいくつかの要因としては遺伝、ストレス、睡眠時無呼吸などの他の睡眠障害、そしてアルコール、薬物、喫煙などがある。

しばしば、ブラキシズムにはストレスや、不安から生じる。ブラキシズム症例の70%は不安やストレスに関連しており、激しい感情を起こしやすく、攻撃的または過度に活動的な性格をもっている成人には、高い割合でブラキシズムが生じる。人々は頬、口唇、爪を噛むのと同様に対処戦略としてブラキシズムを発症しているかもしれない。

妨害的睡眠時無呼吸(OSA)のような睡眠関連呼吸障害をもった人々は、ブラキシズム・リスクが高い。

 

 

マークス「完全歯科医業学」:343

歯科医師・山田忠生

 

歯科医師が語る破壊の進行についての説明を聴いているときに、患者は”注意を促す”知人や友人を思い起こすであろう。歯科医師は患者のその何気ない思いに注意を向けることができるのである。「2~3か月前に私が歯を失った理由を尋ねたときに、すぐにムシ歯のことを話されました。歯肉や骨の損傷については、あまりご存知ではありませんでした。あなたの知り合いの方に同じような質問をされたら、あなたと同じ状態の人がおられると思います。ご自分のお口をしっかりと管理しようと思っておられるのなら、そのお口の本当の状態をわかっているということがとても大切なことです。幸いなことに、私たちは患者さんが原因について理解し、認識されることを強く訴えていますので、現代歯科医学がどのようにして歯を失うことを防いでいるかを、患者さんが他の人々に説明する立場に立っていただきたいのです。」

 

バークリー予防歯科の概要:209

歯科医師・山田忠生

 

再診用の時間をもう少し延ばしたければ、3人分の診療時間を1時間15分にすることで可能となる。診療時間を長くすると、それぞれの診療で節約できるのは5分間にすぎなくても、それだけのわずかな時間でも有意義である。20人の患者を1週間診るとすれば、節約できる時間は100分となる。平均的な歯科医師の生産性を考えてみると、この100分は総所得をかなり挙げていることになる。さらに3人の患者を1時間で診れば、1週間につき200分の節約にもなるのである。この方法を採用すると歯科衛生士をもっていない歯科医師にとって、毎日が非常に楽である。仮に歯科医師が患者の歯石の量が少ないので、年1回の診査でよいと考えたとしても、歯科医師と患者の双方が今まで以上の利益を得るはずである。リコールを調査して変更を加えた後、残りの患者のアポイントメントのパターンを観察してみた。1/4顎治療は正常に実施されていた。患者は通常、1/4顎ごとに1時間があてがわれているので、診療が4回必要なときはアポイントメント・ブックでは4時間が必要である。患者のカルテに目を通して、上記の4回の診療で何をしたのかを確かめてみた結果、4回の診療はしばしば2時間半の1回の診療でできることがわかった。1回2時間半が長いようであれば、1時間半ずつ2回に分けて行う。これで1時間が45分に短縮され、15分が節約されることになる。以前に一度でも診療を受けたことのある患者には、次にどのような治療を行うかをよく検討し、ムダな時間を省いて計画を立て直す。