歯科医師・山田忠生
20ー7 ”見積額”を要求する患者
当初に、診査と見積額を要求する患者がいることは、予期されることである。もちろん、これには診査が1回の来院中で完了されえないこと、そして費用はそれが完了するまでは計算できないことを説明して対処しなければならない。
「費用についての先生のお考えを、お示しいただけないですか。」と質問をするような患者には、どうすることになるのか。このような患者は取り扱いがむずかしいことがある。安易な方法としては、予備調査か早期の臨床診査に基づいた概略の費用を水増しして提示することもあるが、このような方法は責任を持った検討から外れており、経済的な根拠が不十分であることは明らかである。それは、いわゆる買い物客が単に営利に基づいて費用を、他の歯科医師のそれと比較するのを認めることであり、他方で最終的な費用が高くなることがわかったときには、歯科医師に見積額を維持するように働きかけるかもしれないのである。しかし、故意に多く見積もることは経穴にならないというのも、その結果として費用は人間関係を直ちに壊してしまう原因に十分になり得るのである。