歯科医師・山田忠生
”目は心の窓である”ということを、Dr.パンキーは私たちに思い出させてくれる。患者をお金の対象として見ているならば、そのことは患者にわかってしまう。患者になってチェアに座り、どのような治療をしてほしいと思うかを想像してみよう。そうすればもっと患者の本当の関心事に対応でき、密な関係が構築されるであろう。患者はあなたの顔を見つめ、自分の幸福に気づかってくれる人は、どのような人なのかをわかろうとするであろう。愛情と信頼が恐怖心を取り除くのである。患者の共感を確実にしたいと思うなら、トム・ローレンスの提言を実行してみることだ。つまり、患者ひとりひとりが自分の額に、”私を大切にしていると感じさせてください”という点滅付きのネオンサインをつけているかのように思って、その患者を見るのである。
あなたの人々への好奇心や楽しみを、その人の話を聴き、その行動を観察するということに使うこと、他人の立場に自分を置くためには、その人の心の中に入り、何がその人を動かしているのかがわからなくてはならない。超感覚的な能力をもっている人は別にして、通常の感覚を通して受け止められる情報のもとに、心を読み取るテクニックもいくつかある。その人のボディ・ランゲージ、ふるまい、声の調子、言葉遣いなどすべてがこれに該当する。チェアの上で指をきつく握りしめ、目を大きく開けている人は、少しばかり歯科治療に不安をもっている。