咬合病の診断と管理:5

歯科医師・山田忠生

臨床への適用

患者がしばしば診療所を訪れてくる理由には、できるだけ早く修正したいと望んでいる歯の審美上のことであることや、できる限り面倒な事態は最小限にしたいということである。ときには患者が希望することを提供するのを急ぐあまり、非審美的な状態の裏に隠された病因を、包括的に診断することを歯科医師は見落としていることもある。

診断段階を見落とし、患者を教育しないことは図4で見られるように、経済的に高額になることになる。この患者には、歯に”ノッチ(V字状欠損)”と歯肉の退縮があることが報告された。7年前に唇側面に人工歯がはりつけられていた。報告によれば、患者は問題の原因についての説明は受けておらず、咬合スプリントや咬合調整を受けていなかった。治療を受けて2~3年後には一層の歯肉の退縮をきたし、着色を伴った”ノッチ”が形成されるようになった。

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