バークリー予防歯科の概要:217

歯科医師・山田忠生

 

歯科医学はどのようにして、今のような誤った道に入り込んでしまったのだろうか。歯科医師は革新的でありたがる不道徳で、無情な人間なのだろうか。あるいは、彼らは単に受けてきた教育や、研修の犠牲者に過ぎないのだろうか。その答えは、後者に深いかかわりがあるようである。合衆国内の大学の、ほとんどの卒業生は研修期間中に受けた歯内療法学はわずかでしかなかったと感じており、彼らが大学で抜いた治療可能な歯の数は、根管処置を施した歯と比べると圧倒的に多いのである。加えて、彼らが学んだ歯内療法学の方法は、非常に期待を裏切るものであり、時間の浪費でもあったため、ぎっしりと詰まったアポイントメント・ブックに組み入れることに非常に苦心しているのである。

著者は卒業後、臼歯の歯内療法にはアレルギーであったので、7年間は前歯か、ときどきは丈夫でなっ直ぐな小臼歯のみに歯内療法を行った。抜歯と歯内療法の割合は10対1以上で、学生時代のそれと類似していた。大学では、歯周組織はかなり良好な状態にあっても、膿瘍のできた歯は抜いてしまうように徹底的に教え込まれていたのであった。

 

 

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