デンタル・コミュニケーション:127

歯科医師・山田忠生

 

患者にとって何の意味もなく、方向づけもないままの沈黙は困惑したものとなる。そして疑念が生じてくるようになる。つまり、インタビュアであるあなたが混乱し、途方に暮れ、次に何をするべきかが決まっていないように見えるのである。患者も途方に暮れ、何を期待されているのかわからなくなってしまい、両者にとって気まずい状況といえる。黙ったままでどうなっているのか、患者が不安に思うようになり、「私に理解できたかどうかよくわからないのですが。」と話す方が、はるかに良い結果を生む。そうすることにより他方では、あなた自身の感情や反応をコントロールできて、はっきりと言葉にできるようになる。知らないことよりも知っていることに適応しやすいのは、当然のことである。患者にとっても疑念をもちながら、十分に考えることができないままで放置されているよりも、はっきりとっしないとはいえ言葉をかけられる方が、適応しやすいのである。

 

 

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