歯科医師・山田忠生
歯科のオフィスにおいては、一般に信頼を得ることができるかどうかということは、歯科医師の話した通りのことが起こるかどうかによって決まる。「これは痛くありませんよ。」と言ったとすれば、本当に痛いか痛くないかによって患者の信頼は異なってくる。「今度の火曜日の11時に拝見しましょう。」と言ったのであれば、11時に診るか、11時25分に診るかで大きな違いが生じる。このような状況から患者はあなたの態度を正確に予測できるようになり、あなたが信頼できる(あるいは、できない)と思うようになる。
「痛みませんよ。」と言われながら実際に痛かった場合、その歯科医師をどうして信頼できるのか。「11時には拝見します。」と言って、11時25分まで診なかった歯科医師を、どうして信頼できるのか。そのような歯科医師から10日間、毎日正午に薬を服用するように言われたとき、患者はどうするべきか。13日間、午後1時に飲むべきだろうか。経験から歯科医師の話すことが真実でないことを知れば、患者はどうして歯科医師を信じることができるのだろうか。