歯科医師・山田忠生
ひとたび、他者(歯科医師)を信じるようになれば、その人はこの信頼を普遍化しようとするようになり、このことはその人が信じられない人(歯科医師)に出会うまで続くことになる。ほとんどの人にとってこの信頼の発展とか欠如ということは、記憶の無い時代にまでさかのぼることができる。それは1歳ごろの両親との関係から始まっており、日々試しながら修正し続けていくのである。私たちは家族、友人、そして同僚を信頼することから始まって、他の一般の人びと、たとえばバスの運転手、飛行機のパイロット、道路のドライバー、銀行員、そして政府へと信頼は進展していく。拡大していくにしたがって、個人的にこのような人々を知っているのでもなければ、共通の経験をもったわけでもないのに、盲目的に信頼をよせwているということを自覚するようになる。しかしながら、私たちは他者を信頼するという漠然とした感覚をもっているからこそ、上記のような人々を信頼するのである。