歯科医師・山田忠生
母親が以前に子どもを治療のためとか、または歯の健康法を学んだりするためオフィスに連れて行ったことがあるかについても触れてみる。この予備調査とともに、受付は母親に対して子どもの歯科治療についての考えを少し話してみたいと伝え、小児歯科の考え方についての簡単なパンフレットを差し出す。さらに受付は、母親に対してこの考えについて話し合い、子どもの将来を見守ることにオフィスは協力を惜しまないことを伝える。
この印刷物は郵送しない。新しい患者に歓迎の手紙以上のものを送ることは、歯科医師の関心が自分を患者に理解してもらうことにのみ置かれているといった感じを、持たれることがあるからである。実際に印刷物は、ある心理状況をつくり出すように構成されている。その心理状態が生まれると、受付(衛生士、教育担当者)が母親に回想や内省させるために費やす時間の真価が高まる。数分間、補助者とともに考えた後、母親は考え方について記載されたパンフレットを、参考書として家に持ち帰る。このようにして彼女は、歯科医師とともに始めようとしている歯科管理の基本原理を、夫が学ぶことに協力できる。このような母親は頻繁に友人や隣人に、この方法を繰り返し伝えて、「伝道者」の役目を果たすのである。