タタミの上を、ゲタを履いて歩く:23

歯科医師・山田忠生

 

いずれの言葉も歯科医師である限り、その専門分野への患者からの質問に、このように返答することは少々勇気のいることである。私もいつ頃から話せるようになったのか、決して歯科医師になったばかりの頃でないことは確かだ。

歯科医師免許証をもつ歯科医師だからといって、歯科のあらゆる分野について知識があるわけではない。

どこまでを、”あらゆる”と表現するかもむずかしいところだが、むしろ知らない、わからない分野の方が多いのではないだろうか…。患者からの質問も千差万別である。とっさにその患者の歯科知識レベルを判断し、その質問にわかりやすく、的確に説明するということは、ほとんど私にとって、神業に近い所業ではないかと思われる。

 

 

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