歯科医師・山田忠生
歯内療法の技で、技術の劣った歯科医師であれば犠牲にしかねない歯が、たとえ一部であっても保存できるようになり、補綴を根本的に改善することができる。例えば歯折があっても歯根が残存できれば強固な修復を行える能力を身につけるのである。これはインプラントで埋め合わすことが可能かもしれないが、患者の折れた歯こそ最高のインプラントなのである。歯科医師は日常的に歯内療法を行い、第3大臼歯や矯正を理由とする抜歯以外は、ほとんど抜歯は考慮に入れないようにする。患者の歯周組織の健康状態は、デカスロン・デンティストが家庭管理の成り行きをみる尺度ともなる。疾患をコントロールするための教育が、歯周疾患学を適用する上での技術の基礎である反面、歯科医師が限定的な治療を行う能力も重要である。歯周疾患の2/3が高度の疾患コントロールのための訓練で回復可能であるが、残りは軟組織に最小限の傷をつけることによって治るのである。歯科医師の能力は、患者の将来や容貌、安心感に大きな影響を及ぼす。さらに重症な口腔では、歯を部分切除して保存可能な個所を残す。歯周疾患についての歯科医師の能力の中では、外科治療をしてはいけないと判断する能力が最も重要なのである。