歯科医師・山田忠生
20ー5 材料に過度な関心を示す患者
歯科医師が患者のコントロールで明らかに失敗をするものに、誤って材料の話し合いに自分を巻き込んでしまうことがある。経験から言えば材料に関する質問は、歯科医師の気持ちの中に材料が大きな位置を占め、治療計画を詳細に考慮するまでは材料を考えない歯科医師に求められるようである。「先生、治療にあたってはどのような詰め物をされるつもりですか。」
自分の気持ちが”材料重視”から離れていることに満足をしている歯科医師には、このような質問は行われないはずである。単なる好奇心から発したものであるか、あるいはこれまでには指摘されていなかったが、本当に審美的な問題、さらには必要性があるのかどうかがわかるであろう。しかし、このような質問がもと深い意味をもっていることを無視してはけない。