バークリー予防歯科の概要:209

歯科医師・山田忠生

 

再診用の時間をもう少し延ばしたければ、3人分の診療時間を1時間15分にすることで可能となる。診療時間を長くすると、それぞれの診療で節約できるのは5分間にすぎなくても、それだけのわずかな時間でも有意義である。20人の患者を1週間診るとすれば、節約できる時間は100分となる。平均的な歯科医師の生産性を考えてみると、この100分は総所得をかなり挙げていることになる。さらに3人の患者を1時間で診れば、1週間につき200分の節約にもなるのである。この方法を採用すると歯科衛生士をもっていない歯科医師にとって、毎日が非常に楽である。仮に歯科医師が患者の歯石の量が少ないので、年1回の診査でよいと考えたとしても、歯科医師と患者の双方が今まで以上の利益を得るはずである。リコールを調査して変更を加えた後、残りの患者のアポイントメントのパターンを観察してみた。1/4顎治療は正常に実施されていた。患者は通常、1/4顎ごとに1時間があてがわれているので、診療が4回必要なときはアポイントメント・ブックでは4時間が必要である。患者のカルテに目を通して、上記の4回の診療で何をしたのかを確かめてみた結果、4回の診療はしばしば2時間半の1回の診療でできることがわかった。1回2時間半が長いようであれば、1時間半ずつ2回に分けて行う。これで1時間が45分に短縮され、15分が節約されることになる。以前に一度でも診療を受けたことのある患者には、次にどのような治療を行うかをよく検討し、ムダな時間を省いて計画を立て直す。

 

 

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